新潟地方裁判所三条支部 事件番号不詳 判決
本社の所在地
新潟県西蒲原郡小池村大字大曲三千二百七十三番地
山崎工業株式会社
右代表取締役
山崎文言
本籍
仙台市小田原袖十八番地
住所
新潟県西蒲原郡小池村大字大曲二千五百八十三番地
会社員
小山寿
当年四十二年(明治四十一年五月二十日生)
右両名に対する法人税法違反被告事件に付いて当裁判所は検事某関与の上審理を終つて次の通り判決する。
主文
被告人山崎工業株式会社を罰金八百万円に
被告人小山寿を懲役六月に
夫々処する
訴訟費用は全部被告人両名の負担とする
理由
被告人山崎工業株式会社は新潟県西蒲原郡小池村大字大曲三千二百七十三番地に本店を設け洋食器、利器工具等の製造販売を営む資本金十九万円(昭和二十三年九月資本金を五百万円に増加)の法人であり被告人小山寿は被告人会社の総務部長として庶務会計調査等の事務を担当するものであるが
被告人小山寿は被告人会社の業務に関し昭和二十三年六月十一日該法人税申告に際し被告人会社の昭和二十二年四月一日より昭和二十三年三月三十一日に至る法定事業年度に於ける普通所得が金七百五十一万六千七百弐拾弐円なるに拘らず之を金拾八万弐千八百七十六円なるが如く虚偽記載の申告書を所轄巻税務署長に提出し以つて不正の行為に因り被告人会社の納める義務がある
(一) 前記普通所得金七百五十一万六千七百弐拾弐円より前記申告済の金拾八万弐千八百七十六円及詐欺其の他不正行為に依つて秘匿したものと認め難い金百参万五千七百五円此の合計百弐拾壱万八千五百八十壱円を控除した其の余の金六百弐十九万八千百四十壱円に対する法人税弐百弐拾万四千参百四十九円
(二) 前記普通所得金七百五十一万七百二十二円と被告人会社に於ける該税法上の算定に基く資本金額四十四万九百九円とを基礎として算出した超過所得金額に対する法人税額二百二十二万八千五百六十二円より前記控除すべき金額の超過所得金額に対する法人税額三十三万九千百二十円を控除した差額百八十八万九千四百四十二円
以上合計四百九万三千七百九十一円の法人税を免れたものである
証拠
判事冒頭の事実は
一、被告人会社代表者山崎文言及被告人小山寿の当公廷に於ける供述
一、被告人会社の登記簿謄本(甲第九号)中の記載を綜合して
其の余の事実は
一、被告人小山寿及証人長郷有寿の当公廷に於ける供述
一、鑑定人池上茂貴の当公廷に於ける供述
一、被告人会社の作成に係る貸借対照表損益計算書綴(甲第三号)貯蔵品内訳綴(甲第二号)貸借対照表損益計算書(甲第四号)法人の所得等申告書決算報告書(甲第一号)貸借対照表綴(甲第十四号)貸借対照表損益計算表綴(甲第一三号)中の各記載
一、大蔵事務官作成に係る各事業年度分決算書(甲第五号の一)否認事項内訳事項内訳調書(甲第五号の二)作為のない申告すべき額の決定決議書(甲第五号の三)中の各記載
一、広瀬四郎作成に係る家庭費内訳明細表(甲第八号)中の各記載
一、巻税務署長等作成に係る法人税脱税嫌疑事件に関する証憑書類等提出のことを題する書類綴(甲第一二号)中の記載
一、鑑定人池上茂貴作成に係る鑑定書中の記載を綜合して
之る認めるに充分である
法律に照せば被告人小山寿の行為は法人税法第四十八条第一項に該当するから所定刑中懲役刑を選択して其刑期範囲内に於て同被告人を懲役六月に処し被告人山崎工業株式会社に対しては其の従業者である被告人小山寿が被告人会社の業務に関し前条の違反行為をしたものであるから同法第五十一条に依つて同法第四十八条第一項所定の前示免れた税金の三倍以下の罰金額範囲内に於て被告人会社を罰金八百万円に処し訴訟費用は刑事訴訟法第百八十一条第一項を適用して全部被告人両名をして負担させることゝして主文の様に判決した次第である